Micro Junior



     

長距離用
品名 ミクロジュニア for kids
品番 A802
JAN 4548699022843
定価 メーカー希望小売価格 100,000円 (非課税)
オンライン価格 65,000円 送料無料!選べる価格
【特徴】 ■ とにかく小さいジュニアサイズ向けの子供用車椅子
■ 座面高はしっかり確保
■ 立ち上がりや、ベッド移乗時は腰にやさしいシート高
■ フットレストはスイングアウト式
■ アームレスト高さ調整機能付き(調整幅6cm)
■ 転倒防止バーは3段階段調整式<取外可能>
■ ガッチリ受け止める駐車ブレーキ
■ リアタイヤ脱着可能・リリースピン搭載
■ 身長145センチ以下・体重40キロ以下の方に推奨
■ 跳ね上げ式サイドガード(邪魔にならないV字レイアウト可能)
■ 介助者用ブレーキ
無しモデル
■ 後輪が外れるクイックリリースタイプで積載も楽々
■ノーパンクタイヤ採用で空気抜け、パンクの心配がありません
■ サビに強く、軽くて頑丈なアルミ車椅子です!
■ スムーズに小回りが利きますので使い勝手もよく大変便利です
■ コンパクトに折りたためて車のトランクにも楽に入ります。
■ フレームはすべて軽量アルミ製ですので介助の方の負担も軽減。
■ 背折れ
無しタイプ
■ 樹脂ハンドリム

■ アームレスト無段階調整(約6センチ)
■ フットレストの高さ調整可能

転倒防止バー付き
■ 専用X字6点シートベルト(別売)

箱:200サイズ

※耐荷重及び適応値は測定値であり、保証値ではございません。
※商品の仕様は予告なく変更することがございます。
ポイント カドクラのジュニアキッズ用の車椅子になります。大変コンパクトで小さいのでお父さん・お母さんに好評です。標準装備でタイヤが脱着可能なクイックリリースタイプを採用いたしました。軽自動車にも楽々搭載可能。ベッドへの移乗が楽な跳ね上げ式のサイドガード。安全面では6点シートベルトを採用したことにより座位保持が困難なお子さんも安心してご利用いただけます。バギータイプのものより4倍しっかりとした作りとなっていますので長く使える車椅子となります。
  オプション 専用X字6点シートベルト(別売)8,500円
販売規約
製品情報
全幅(C)
(折畳時)
約48cm
(約34cm)
座面幅(D) 約30cm    
全高(A)
(背折れ時)
約83cm
(約***cm)
座面長(E) 約32cm
全長(B)
(折畳時)
約89cm
約65cm
座面高(H) 約47cm
フット〜座面(J) 約33cm 背面高(L) 約38.5cm
座〜肘掛(K) 約18〜24cm 前輪径(F) 約15cm
6インチ
肘掛高 (I)  約64〜70cm 後輪径(G) 約50.5cm
20インチ
 
重量 12.8kg  耐荷重 約65kg 
シート厚み:約2センチ
     
     















































































 No. 画像タイトル種目用具の種類場面の説明解説参考要因CCTA 1 下に落ちたモノを拾おうとし て、前方へ転落しそうになる 車いす 自操用車いす 携帯電話を下に落としてしまい、 フットサポートに足を乗せたまま 、利用者があわてて拾おうとした これは意外に多く起こっている事例です。大切なモノを下に落とし て慌てたのかもしれません。足をフットサポートから下ろさずに前 かがみになったことなどが原因ですが、リーチャーなどモノを拾い 上げる福祉用具もあるので、携帯していると安心です。 人:フットサポートから足を下ろすのを忘れていた 人:大切なモノを落とし、あわててしまう 環境:正しい動作を教えてくれる人がいなかった 122106 2 フットサポートを踏んだ状態 で立ち上がり、車いすごと転 倒しそうになる 車いす 自操用車いす フットサポートに足を乗せたまま 、タンスの上にあるモノを取ろう として、転びそうになった 高いところにあるモノを取ろうとすると足元に注意がいかず、この ような危険な事例が起こりやすくなります。フットサポートから足 を下ろすことを習慣化することはもちろんですが、介助者も高いと ころにモノを置かないという気配りが大切です。 人:フットサポートから足を下ろすのを忘れていた 環境:手の届かない高い場所にモノを置いている 122106 3 わずかな段差を乗り越えよう として、後方へ転倒しそうに なる 車いす 自操用車いす 荷物がつまったバッグを車いすの手 押しハンドルにかけたまま段差を 乗り越えようとし、バランスを崩 した 車いすで段差を乗り越えるときには後方への転倒に注意が必要です 。特にバックサポートにバッグなど荷物をかけているときには重心 が後方になるので危険が大きくなります。頻繁にこのような場面に 遭遇する人は、転倒防止装置が装着されている、安定性があり転倒 しにくいなど、目的に合う車いすを選定するなど、安全を確保する 必要があります。 人:手押しハンドルに荷物をかけたまま段差を乗り越 えようとした モノ:手押しハンドルに荷物をかけていた モノ:転倒防止バーを装着していない 環境:車いすのバランスを崩す段差があった 122106 4 車いすを開く時に、手指を挟みそ うになる 車いす 車いす 介助用車いす 自操用車いす 介助者が急いで開こうとして、指を シートパイプとフレームの隙間に 挟んだ 車いすの操作に不慣れな人に起こりやすいヒヤリ・ハットではない でしょうか。車いすの操作の説明をする人は、このようなことが起 きないよう注意を促してください。操作する人は、例え急いでいて も基本通りに操作し、習慣化することが大切です。 人:正しい開き方を理解していない 人:提供者からの注意喚起が欠けていた 管理:メンテナンス不足でスムーズに開閉しない 122103 122106 5 フットサポートが急に倒れ、 身動きがとれず、前方へ転倒 しそうになる 車いす 自操用車いす トイレへ立位移乗をしようとした 時、フットサポートが急に倒れ、 前方に倒れそうになった 大きなケガにつながるとても危険な事例です。通常フットサポート を跳ね上げた時は、ある程度の固さで保持されており、容易に倒れる ものではありませんが、メンテナンス不足などで倒れやすくなる場 合もあります。常に安全な状態に福祉用具を維持することにも注意を 払うべきです。また、そもそもフットサポートの固定がゆるい機種 もありますので、可能であれば機種を変更するなど、予防的な対策 をすることもお勧めします。 モノ:フットサポートの固定がゆるい機種だった 管理:フットサポートの定期的なメンテナンスを怠っ ていた 122106 6 利用者の足がフットサポート から落ちてしまい、車いすに 巻き込みそうになる 車いす 自操用車いす フットサポートから利用者の足が ずり落ちていることに介助者が気 づかず操作し、走行してしまった 車いすには本来レッグサポートなどの足が落ちない安全装備があり ますが、介助者の都合などでそのような安全装備を外していること も多く、このような事例が起こり続けています。介助者からは死角に なり見えづらい部分でもありますので、レッグサポートは必ず取り 付け、声をかけて確認するなど注意をしてください。 人:介助者がレッグサポートの大切さを理解していな い 人:死角になっている箇所に注意がいかなかった モノ:レッグサポートの着脱が容易ではない機種であ った 管理:レッグサポートの管理を怠っていた 122106 7 ベッドへの移乗時、車いすのフ ットサポートに足が接触し、 ケガをしそうになる 車いす 特殊寝台 自操用車いす 介護用ベッド 介助者が車いすを引いた際、フット サポートが利用者の足にあたって しまった 慌てて車いすを引き抜こうとするときに起こりやすい事例です。この ような移乗方法のときは、利用者の足とフットサポートが接触して いることが多くありますので、足に傷をつけないよう注意し、慌て ずにゆっくりと車いすを操作することを習慣にしてください。素早 くやらないと本人が転倒してしまうようでは、この移乗方法自体が 適切ではないと考えられます。また、夜間の介助のときのように薄 暗い場所や狭い場所は特に注意が必要です。 人:利用者の足元を確認せず車いすを移動させた 人:あわてていて手早く終了させることだけを考えて いた 環境:利用者の足元が見えづらい 122106 181209 8 車いす上でずっこけ姿勢になり 、すべり落ちそうになる 車いす 自操用車いす テーブルの前に移動させ、介助者 が利用者から目を離した際、利用者 がずっこけ姿勢になり、すべり落 ちて首がテーブルに挟まりそうに なった 利用者の体格に合わない車いすに長時間座ると、姿勢が崩れることがあ ります。特に、お尻が前方にすべるずっこけ姿勢から床に落ちたり 、首を机に挟んだりすることもあり注意が必要です。体格に合う車い すの利用や、クッション・パッドなどで姿勢が崩れない工夫をしま しょう。 人:高齢者だから姿勢が崩れても仕方がないと思っていた モノ:車いすが利用者に合っていない 環境:介助者から見えづらかった 122106 9 ブレーキの効きが悪くなり、 移乗時に転倒しそうになる 車いす 特殊寝台 自操用車いす 介護用ベッド ブレーキの効きが悪くなっている ため、ベッドからの移乗時に、車い すが後方へズレる 重傷事故が多く報告されている事例です。車いすが動いてしまう要因 には、ブレーキの調整不足、タイヤの空気圧の低下、タイヤの磨耗 などが考えられます。また、ベッドの柵(サイドレール)を手すり 代わりに利用することも適切ではありません。ベッド用グリップの 利用をお勧めします。 人:ブレーキの効きが悪いことに気づかない 人:そもそもひとりでは安全に移乗できない人であっ た 管理:タイヤの空気圧や磨耗などの定期的な確認をし ていなかった 122106 181209 10 利用者のつま先をベッドフレ ームにぶつけそうになる 車いす 特殊寝台 介助用車いす 介護用ベッド 利用者の片方の足がフットサポー トからずり落ちていたが、介助者 がそれに気づかず車いすを操作し 、つま先をぶつけた 特に姿勢が崩れていると足の先端は介助者が思うよりもずっと先に出 ていることがあります。足先は介助者からは死角になり見えづらいの で、特に狭い場所での移動には注意しましょう。クッション・パッ ドを利用したり、車いすを調整するなど座位が崩れない工夫も必要 です。 人:利用者の座位がずり落ちていることに気づかない モノ:車いすが利用者に合っていない 環境:介助者から見えづらかった 122103 181209 11 急ブレーキをかけたため、利 用者が前方に転落しそうにな る 車いす 自操用車いす 介助者が急いで車いすを押し、トイ レ前で急ブレーキをかけたところ 、利用者が前のめりになってしま った 介助者が車いすを急に減速するような場面でこのような事例が起こり やすくなります。また、利用者の身体状況から前方に倒れやすいこ とが考えられる場合には姿勢を保持するクッションやティルト機構の ついた車いすを使用するなど適合を検討する必要もあります。 人:姿勢を保持することができない 人:急な減速をした モノ:車いすが身体状況に合っていなかった 122106 12 ブレーキとタイヤの間に指を 入れてしまい、ケガをしそう になる 車いす 介助用車いす 利用者の指が、ブレーキとタイヤの 間に入り込んでいたが、介助者が 気づかずブレーキをかけた ブレーキには指を挟みやすい箇所が数箇所あり、危険な場所です。 利用者の腕が肘掛けから落ちると指を挟みやすくなりますので、まず は腕が落ちないような工夫が必要です。また、介助者もブレーキを かけるときにはしっかりと目視をするなど注意しましょう。 人:ブレーキをかける際に、モノなどを挟んでいない か確認しない モノ:ブレーキの根元に指が入る隙間がある モノ:注意表示がされていない 122103 13 踏切の溝にキャスタが入り、 身動きがとれなくなる 車いす ジョイスティ ック形電動車 いす 踏切を渡ろうとして線路を斜めに 渡ってしまい、キャスタが溝には まる 踏切はこのような溝を何本も通らなければならない危険な場所なの で、できるだけ介助者をつけるなどの対策をすることが望ましいと いえます。やむなく単独で通過する場合には、常にキャスタの向き に注意し溝に直行する角度で進行するよう心がけてください。 人:溝に対しての進行方向に注意を払わなかった 環境:安全を確認してくれる介助者がいなかった 122127 14 わずかな段差を越えようとし て、後方へ転倒しそうになる 車いす ジョイスティ ック形電動車 いす 転倒防止バーを折りたたんだまま 、勢いよく段差を越えようとし、 バランスを崩した 電動車いすは大きな力で段差を乗り越えますので後方への転倒の危 険が大きいといえます。そのために転倒防止バーが装備されていま すが、この事例のように転倒防止バーを折りたたんだまま走行してい る人を見かけます。とても重要な安全装置ですので、正しく機能す る位置にして走行してください。 人:勢いをつけて段差を越えようとした 人:転倒防止バーの重要性を理解していない モノ:転倒防止バーの操作は、利用者が座った状態では 操作できない構造になっている 122127 15 ゆるやかなスロープをバック で上りきったとき、後方へ転 倒しそうになる 車いす ジョイスティ ック形電動車 いす 転倒防止バーを折りたたんだまま バックでスロープを上ったが、上 りきったところで速度のコントロ ールがうまくいかず後方にバラン スを崩した 方向転換するスペースがないときなど、バックでスロープを上がる こともありえますが、電動車いすはスロープを上りきり、平坦面に 差し掛かると急加速をする場合があります。それに驚いて制動をか けると、後方にバランスを崩しやすくなります。このような危険を 回避するために転倒防止バーが装備されていますので、常に正しい 位置で利用することが大切です。 人:転倒防止バーを収納したままで利用していた 人:速度のコントロールに不慣れであった 環境:場所が狭い 環境:スロープの角度が急であった 122127 - 1 - No. 画像タイトル種目用具の種類場面の説明解説参考要因CCTA 16 歩道と車道の段差で、片輪だ け乗り上げ、身体が放り出さ れそうになる 車いす ジョイスティ ック形電動車 いす 横断歩道(歩道と道路)の段差を 斜めに登ろうとして車いすが大きく 傾き振り落とされそうになった 傾斜路や段差へ斜めに侵入すると車いすは左右に大きく振られ、バラ ンスが崩れやすく危険が大きくなります。段差を通過するときには 直行する方向で、勢いをつけず安全な速度で進入してください。ま た信号横断のときは、渡り切るだけの時間的余裕があるかどうかも 確認するなど、余裕をもって渡りましょう。 人:あわてて横断する 人:段差を斜めに侵入する危険性を認識していない 環境:段差が見えづらかった 122127 17 踏切横断中にバッテリーが切 れ、電動車いすが急停止する 車いす ハンドル形電 動車いす 踏切の警報音が鳴り始め、利用者は このぐらいなら行けると思いアク セルレバーを全開にし走行したが 、バッテリーが切れてしまった 大きな事故につながりかねない事例です。バッテリーの残量は常に確 認し、余裕をもって充電することが大切です。残量が少なくなった ら、踏切に限らず坂道や不整地の走行は避けたほうが良いでしょう 。また、万が一に備えて、周囲の人に助けを求められるように、ク ラッチの解除操作を確認しておきましょう。 人:バッテリー残量の確認をしないで使用する モノ:バッテリー残量確認のメーターが見えづらいデザ インだった 環境:外出先でバッテリーの充電ができない 122124 18 あぜ道を走行中に、バランス を崩しそうになる 車いす ハンドル形電 動車いす でこぼこ道の窪みを減速すること なく通過しようとしたところ、車 体が大きく揺れ転倒しそうになっ た あぜ道を走行中にバランスを崩したり、ハンドルを取られて側溝に 転落するような事故が報告されています。また、雑草が車輪に絡みつ き、走行できなくなるような場合もありますので、悪路の走行には 速度を落とすなど特段の注意が必要です。使用環境に気をつけ、利 用者の危険認知や操作能力を定期的に確認しましょう。 人:製品の性能を理解していない 環境:雑草が生い茂り、タイヤに絡まりやすい 環境:雨が降った後で、道がぬかるんでいる 122124 19 長い下り坂で急ハンドルをと り、転倒しそうになる 車いす ハンドル形電 動車いす 急に飛びこんできたボールを避け ようとして、急ハンドルをとりバ ランスを崩した 基本的に“急発進”や“急ハンドル”など急のつく操作には危険が 伴いますので厳禁です。特に下り坂では勢いがついているので転倒 事故につながりやすいといえます。坂が多い地域での利用が多い場 合には、特に安定感のある機種を選ぶなど予防的な配慮も必要です 。 人:下り坂でいつもよりスピードが出ていることに気 づかなかった モノ:急ハンドルによる安定性が低い構造の機種であ った 環境:周囲の状況を見渡すことができず、子供がボール 遊びをしている姿が見えなかった 122124 20 電源を切り忘れて、降りると きに本体が動き出し、転倒し そうになる 車いす ハンドル形電 動車いす 降りようとハンドルに手をかけた ところ誤ってアクセルレバーを押 してしまい急発進、身体ごと持っ ていかれてしまった 降車前に電源を切ることを習慣化することが必要です。乗降の際に はハンドルを手すり代わりにする人が多いので、アクセルレバーを 誤操作しないように心がけましょう。また、ハンドルを手すり代わ りにしないと立ち上がれないような人では、このような危険がさら に増すと思われますので特に注意してください。 人:電源を切ったつもりでいた 人:アクセルレバーを誤って触ってしまった 人:乗降の際の危険についての説明が不足していた モノ:危険に対する注意喚起の表示が貼られていなか った 122124 21 落ち葉を踏んだタイヤがスリ ップして、操作不能になる 車いす ハンドル形電 動車いす 落ち葉の上を走行中、ブレーキを かけたが、タイヤがスリップして 操作不能になった 落ち葉などすべりやすい路面状況に影響をうけるのは電動車いすも 他の車両と同様です。注意深く走行する、場合によっては走行を避 けるなどの配慮が必要です。また、タイヤが磨り減っているなどの 要因もありますので、定期的なメンテナンスを怠らないようにしま しょう。 人:落ち葉の上ですべるという認識が欠けていた モノ:タイヤがすり減っていた 管理:タイヤの磨耗等の定期的な確認をしていなかっ た 122124 22 空気を注入するためのバルブ が腿(もも)にあたり、痛み が生じる 車いす 車いす付 属品 介助用車いす 車いす用クッ ション サイズの合っていないクッション を使用していて空気注入口が腿( もも)にあたったまま、長時間車い すに座っていた クッション自体は本来このようなことが起こらないように設計され ていますが、利用者の座位姿勢、車いすとクッションの適合、クッシ ョンの間違った使い方などにより、このような危険が生じる場合も あります。利用者の中には自らこのような危険を訴えることが出来な い方もいらっしゃいますので、介助者も定期的に確認しましょう。 人:少しくらいサイズが違っていても大丈夫だろうと 油断していた モノ:クッションが適切な位置からずれていた 環境:福祉用具について適切なアドバイスのできる人 が周囲にいなかった 122103 122406 39 マットレス止めがなく、移乗時 にマットレスが大きくズレる 車いす 特殊寝台 特殊寝台 付属品 自操用車いす 介護用ベッド マットレス マットレス止めがなく、移乗の際 にマットレスが大きくズレた 横方向のマットレス止めが無いベッドではこのような危険が高まり ますので、頻繁に起こるようであればベッドの機種変更を検討すべ きでしょう。横方向のマットレス止めがあるにもかかわらずこのよ うなマットレスのズレが起こる場合では、そもそも無理な介助方法 である可能性が高いと思われますので、介助方法の再検討が必要で はないでしょうか。 人:勢いをつけた移乗介助に危険が伴うという理解に 欠けている 人:マットレス止めが外れかかっていることに気づか なかった モノ:横方向のマットレス止が付いていない 122106 181209 181218 40 ベッドを上げ過ぎて、利用者 の足が床から離れ、前方へ転 落しそうになる 車いす 特殊寝台 自操用車いす 介護用ベッド ベッドを上げ過ぎてしまい、座位 姿勢が保てなくなって、側方に座 位が崩れ転落しそうになる 介助者が目を離した不注意が考えられますが、移乗のための浅い腰 掛位置の状態でベッドの高さを上げること自体にも危険が隠れてい ます。利用者の座位姿勢が安定している状態(または臥位状態)であ らかじめ高さ調整を行っておくことを習慣づけましょう。 人:利用者の姿勢に注意を払わぬままベッドを高く上げ 過ぎた モノ:端の部分が柔らかめのマットレスを使用してい た 環境:座位姿勢を保つための手すりがなかった 122106 181209 52 スライディングボードからす べり落ち、ケガをしそうにな る 車いす 体位変換 器 特殊寝台 自操用車いす スライディン グボード 介護用ベッド スライディングボートの設置位置 が悪く、すべり出した時点で、前 方へすべり落ちそうになった スライディングボードは基本的には端座位が安定している人のため の移乗用具です。座位の不安定な人に利用するとこのようなヒヤリ ・ハットが起こりやすいといえます。また、安全な利用には適切な 移乗技術をを身につけることが必要です。 人:スライディングボードがすべりやすいことを認識 していない モノ:スライディングボードは前方にもすべる 環境:車いすとベッドの高さが適切でない 122106 123003 181209 82 車いすごとつり上げてしまい 、バランスを崩し転落しそう になる 車いす 移動用リ フト 移動用リ フトのつ り具の部 分 座位変換形車 いす 床走行式リフ ト つり具 車いすのアームサポートにつり具 を巻き込んでしまったことに気が つかなかった アームサポートだけでなく、ブレーキレバーなどでも起こりうる事 例です。つり具の装着後、確認をすることが重要です。万が一、巻 き込んでしまっても、落ち着いて一度下げてからやり直すことで事 故を防げます。つられた状態で巻き込みを外すことは危険です。 人:介助者がつり具や利用者をよく見ていなかった 人:つり始めにいったん停止して確認する手順を忘れて いた 環境:つり具で巻き込みやすい形状のアームサポート の車いすを使用していた 122190 123603 123621 85 段差解消機で昇降中に転落し そうになる 車いす 移動用リ フト 自操用車いす 段差解消機 車いすのブレーキをかけ忘れてリ フトを操作したところ、車いすが 急に動き出した 段差解消機のテーブル面はわずかに傾斜している場合が多いので、車 いすのブレーキをかけることはとても重要です。うっかり忘れてし まうこともありますので、注意喚起のための表示を見やすいところ にするなどの対策も有効でしょう。 人:利用者があわてていてブレーキをかけ忘れていた モノ:注意喚起の表示がなかった 122106 183006 105 つり具のストラップの掛け位 置が左右で異なり、利用者の バランスが崩れる 車いす 移動用リ フト 移動用リ フトのつ り具の部 分 自操用車いす 床走行式リフ ト つり具 ストラップの掛け位置が左右で異 なっており、バランスが崩れた状 態でつり上げてしまった つり具は左右対称にストラップをかけることが基本です。製品によ っては色分けによってわかりやすい工夫がされているものもありま すが、そのような製品でない場合でも、目印をつけてわかりやすく するなどの工夫が、このようなヒヤリ・ハットの予防に有効でしょ う。また安全確保の意味からも、つり始めにいったん停止し、姿勢を 確認してからつり上げてください。 人:ストラップの掛け位置を左右対称にする大切さを 理解していなかった モノ:ストラップのデザインが同じで判別しづらかっ た 122106 123618 123621 106 つり具を抜こうとして、前方 へ落ちそうになる 車いす 移動用リ フトのつ り具の部 分 自操用車いす つり具 利用者がずっこけ姿勢の状態で、介 助者が斜め前方からつり具を強引に 抜こうとしたため、利用者もろと も動いてしまった つり具を正しく使用し、適切な操作方法で移乗すればこのようなこ とは起こりません。適切なつり具を選定し正しい操作方法を習得し ましょう。自己流にならず手順通りに実施することを心がけてください 。 人:つり具を斜めから強引に引き抜いた 人:リフト移乗の正しい使用方法を教わっていなかっ た 管理:正しい操作方法を伝える研修機会が確保されて いなかった 122106 123621 113 段差を越えた衝撃で足が落ち てしまい、ケガをしそうにな る 車いす 自操用車いす 段差を越えた衝撃で利用者の足が フットサポートから落ちてしまっ たが、介助者はよそ見をして気づ かず操作してしまった 車いすを利用する人の身体状況には、大きな個人差があります。座 位の不安定な人では、少しの段差の衝撃でも、足や腕が落ちてしま うことがあります。特に足は地面との間に挟まってしまい捻挫や骨 折を引き起こすこともあります。レッグサポートはこのような危険 を防ぐ目的で装備されている安全部品なので、利用者や介助者の都合 などで外したままにしておくことのないよう注意しましょう。 人:介助者がレッグサポートの大切さを理解していな い 人:レッグサポートを装着していなかった 人:死角になっている箇所に注意がいかなかった 管理:レッグサポートの管理を怠っていた 122106 - 2 - No. 画像タイトル種目用具の種類場面の説明解説参考要因CCTA 114 ブレーキをかけずに立ち上が ろうとしたため、後方に転倒 しそうになる 車いす 特殊寝台 自操用車いす 介護用ベッド ベッドに移ろうと立ち上がったが 、ブレーキをかけ忘れていたため 、車いすが後方に移動し、転倒し そうになった かなりの頻度で発生しているヒヤリ・ハットで、骨折など大きなケ ガにつながるケースも多くあります。高齢者の中には、日ごろから ブレーキをかけない移乗が常習化している人もいます。たとえ転ば なかったとしてもその行為自体が危険だとの認識をもって、ブレーキ かけを習慣化するよう周囲の声かけも大切です。 人:ブレーキをかけなくても大丈夫だと思っていた 人:ブレーキをかけ忘れていた 管理:メンテナンス不足でブレーキが固くなっていた 管理:メンテナンス不足でブレーキが緩くなっていた 122106 181209 115 ベッドの柵(サイドレール) に手押しハンドルが引っかか り、動けなくなる 車いす 特殊寝台 特殊寝台 付属品 自操用車いす 介護用ベッド サイドレール ベッド付近で車いすの方向転換を した際に、手押しハンドルがベッ ドの柵(サイドレール)に引っか かって動けなくなってしまった ベッドの高さや車いすの形状などの条件が、悪い状況で重なること で起こってしまう事例です。車いすをこぐことで簡単に脱出できるこ ともありますが、強固に挟まってしまい抜け出すことが困難な場合 もあります。製品の組み合わせによっては、このような事例が発生 する場合もありますので、一度確認しておくと良いのではないでし ょうか。 人:介助ハンドルが引っかかることを認識していなか った 人:狭い空間で方向転換をした 環境:方向転換をするための十分な場所がなかった 122106 181209 181227 116 運搬時に肘掛けが跳ね上がり 、バランスを崩して転倒しそ うになる 車いす 自操用車いす 介助者が肘掛けを握って車いすを持 ち上げようとしたが、跳ね上げタ イプの車いすであったため、不意 にロックが外れてバランスを崩し た 街のバリアフリー化が進んだとはいえ、車いすを持ち上げなければな らない場面は多くあります。一方で車いすの高機能化に伴い可動や取 り外し式の箇所も多くなっているので、そのような箇所を持ち上げな いような注意が必要になってきています。持ち上げざるを得ない場 合は、持ち上げるときに握る場所を事業者に確認しておきましょう。 人:肘掛けが跳ね上がる車いすだと知らなかった 人:車いすの正しい運搬方法を知らなかった モノ:肘掛けが跳ね上がる車いすだった 環境:スロープがない場所であった 122106 117 前向きで下りたところフット サポートが地面にひっかかり 、転落しそうになる 車いす スロープ 自操用車いす 一体形スロー プ 前向きで下りたため、フットサポ ートが地面にぶつかってしまった スロープを下りるときには、車いすを後向きに介助することが基本 です。それは万が一このような事象が起こっても、利用者が転落する ことを防げるという観点からです。どうしても前向きに介助したい 場合は、フットサポート下の隙間が路面に干渉しないことを確認し ましょう。 人:正しい介助方法を理解していなかった モノ:フットサポートが低い位置にある車いすだった 管理:ねじのゆるみからフットサポートが下がってい た 122106 183015 118 はみ出していた肘が建具枠と 接触し、ケガをしそうになる 車いす 自操用車いす 利用者の肘が車いすの肘掛けよりも 外に出ていることを気にせず、狭 い箇所を通過しようとした 介助者の不注意が大きな要因ではありますが、あわてているような 場面では起こりがちな事例です。ドア通過の手前ではいったん停止し 、腕の位置や身体の傾きを確認したうえでゆっくりと進行するよう にしましょう。 人:利用者の肘がはみ出していることに気がついてい なかった 環境:ドアの幅員が狭い 122106 119 レクリエーションに夢中にな り、前のめりになって転落し そうになる 車いす 自操用車いす 風船に触ろうとして、車いす上で 身を乗り出してしまった 前のめりになったはずみで、車いすのフットサポートに体重をかけ てしまったことが原因と考えられます。これは車いすの特性でもあ るので、フットサポートを跳ね上げて足を床におろし、必要に応じ 台を利用してしっかりと足が床につく環境を整えて、安全にレクリ エーションを楽しみましょう。 人:レクリエーションに夢中になってしまった 人:車いすがひっくり返ることを想定していなかった モノ:車いすはてこの原理で傾くことがある 122106 120 自力でスロープを上っている ときに、後方へひっくり返り そうになる 車いす スロープ 自操用車いす 一体形スロー プ 利用者が一人でスロープを上ろう としたが、バランスを崩してひっ くり返りそうになった 虚弱な高齢者というより、腕の力の強い若い障害者に起こりがちな事例 です。スロープの上では車いすの重心位置が後方に偏り、さらに勢 いよく前進させようとすると意外と簡単にバランスを崩します。転 倒しないためには、上半身を前傾させて重心を調整するなどの操作 技術が必要です。車いすによっても重心位置は違うので、転倒のし 易さも異なってきます。また、このような事故を防止するための転倒 防止バーが付属する車いすもあります。 人:介助者が来るのを待てなかった 人:一人で上る危険性を認識していなかった 人:利用者が一人でスロープを上っていることに気づ かなかった モノ:転倒防止バーがついていない車いすだった 環境:一人で上るにはスロープの角度が急すぎた 122106 183015 121 酸素ボンベの重みでひっくり 返りそうになる 車いす 自操用車いす 酸素ボンベの重みで、車いすの重心 が後方寄りになっていることを意 識せず、勢いよく座ってしまった 車いすの後方への転倒は意外に多く発生しているヒヤリ・ハットで す。危険度合いは車いすの重心位置に関係し、このような事象の起こ りやすい車いすには転倒防止バーが付属していることが一般的です。 製品自体は安定性の高い車いすでも、酸素ボンベや呼吸器などの後付 けで重心位置が変わり、転倒の危険が増しているとの認識を持つこと が大切です。 人:勢いよく座ってしまった モノ:酸素ボンベの重みで重心位置が後方寄りになっ ていた モノ:転倒防止バーがついていない車いすだった 122106 122 足がすべって地面に転がり落 ちそうになる 車いす 自操用車いす 坂を上る途中で、足に思いきり力 を入れた途端、足がすべってしま った 足の駆動で坂を上ろうとしていたのでしょう。足に力を入れると身 体は前のめりになりますが、この姿勢で足がすべり前方に転げ落ち る状況が想像できます。自分の力で行動する姿勢は大切ですが、一方 で安全管理も自立した生活の大切な要素です。無理をしない判断力 も必要です。 人:一人で坂を上りきる体力がなかった 人:上ることに夢中になり、前傾姿勢になっていた モノ:すべり易い靴を履いていた 環境:すべり易い路面だった 環境:一人で上るには坂の傾斜がきつすぎた 122106 123 かかととキャスタがぶつかり 、ケガをしそうになる 車いす 自操用車いす レッグサポートを外しており、か かとの位置が後方になっていたた め、かかととキャスタがぶつかっ た 車いすは、このような事象は簡単には起こらないように設計されてい ますが、レッグサポートを外した状態では容易に発生します。接触 による皮膚の損傷や、車いすの進行方向が定まらないことによる危 険が考えられますので、レッグサポートは必ず装着した上で車いす を利用しましょう。 人:介助者がレッグサポートの大切さを理解していな い 人:死角になっている箇所に注意がいかなかった 管理:レッグサポートの管理を怠っていた 122106 124 テーブルに手をぶつけ、ケガ をしそうになる 車いす 自操用車いす 作業用テーブ ル 介助者が、テーブルの高さと車いす に乗せている利用者の手の位置関係 を確認しなかったため、利用者の手 が食卓テーブルにぶつかってしま った 介助者の不注意が原因で起こる事例ですが、残念ながら多くの頻度で 発生しています。注意を払うことが何より大切ではありますが、身 体に合っておらず座りにくい車いすを利用するとアームサポートを しっかりと握って身体を支えることにつながり、このような事例も起 こりやすくなると思われます。 人:テーブルと肘掛けの位置関係を確認していない モノ:アームサポートの位置が高すぎた 環境:テーブルの高さが低すぎた 122106 180303 125 手に持っていた杖が車いすと花 壇との間に挟まり、杖が曲が る 車いす その他 一本杖 自操用車いす 利用者が手に持っていた杖が、車いす の外にはみ出していることに介助 者が気づかず、歩道の端を走行し たために杖が花壇に引っかかって しまった このような事例に限らず歩道の縁石や電柱など、街には様々な障害 物があります。また、駐車車両にぶつけてしまったり、他の歩行者、 特に子どもなどを傷つけてしまうような危険もあります。杖は手に持 たず、専用のホルダーを装着するとより安全です。 人:杖を手に持っていた 人:死角になっている箇所に注意がいかなかった モノ:車いすに杖ホルダーが装備されていなかった 環境:歩道が狭かった 120303 122106 126 手押しハンドルにブレーキが ついておらず、ひっくり返り そうになる 車いす スロープ 自操用車いす 一体形スロー プ スロープで下りている際、車いす と利用者の重さを身体で受け止めき れなくなり、ひっくり返りそうに なった ゆるやかそうに見えるスロープでも、実際に介助してみると想像以 上の重さがかかります。特に下りでは、身体で重さを受け止めるので はなく、ブレーキをかけながらスピードをコントロールすることで 、身体的にも楽で安全に介助することが可能です。スロープでの介 助が必要なときにはブレーキのついた製品を選ぶことが基本です。 人:車いすと利用者の重さを受け止める体力がなかった 人:手押しハンドルにブレーキがついている車いすがあ ることを知らなかった 人:外出する機会があるにもかかわらず、ブレーキ付 き車いすを提供しなかった モノ:ブレーキがついていなかった 122106 183015 127 フット・レッグサポートを外 した箇所に接触し、ケガをし そうになる 車いす 自操用車いす 介護用ベッド 介助者が足元をよく見なかったた め、車いすの突起部分に利用者の脚 がぶつかってしまった フット・レッグサポートの取り外しは、移乗を安全に行ううえで大 切なことですが、取り外した後に現れる突起物などの危険箇所は製 品によって大きな差があるのが現状です。突起イコール危険とまで は言い切れませんが、移乗の方法や皮膚の状況によっては、突起の 多少も製品の選定ポイントとして重要でしょう。 人:車いすには突起している箇所があることを認識して いない 人:死角になっている箇所に注意がいかなかった モノ:車いすには突起している箇所がある 環境:狭い場所で移乗介助をしていた 122106 181209 128 段差解消機のスロープにさし かかったところで、後方に転 倒しそうになる 車いす 移動用リ フト 自操用車いす 段差解消機 段差解消機から降りようとしてス ロープにさしかかったところ、車 いすが後方に傾いてしまった 車いすの後方への転倒は意外に多く発生しているヒヤリ・ハットで す。危険度合いは車いすの重心位置に関係し、このような事象の起こ りやすい車いすには転倒防止バーが付属していることが一般的です。 しかし、転倒防止バーは介助の邪魔になるなどの理由で取り外されて いることも少なからずあり、安全意識の再確認が必要です。 人:転倒の危険性を理解していなかった 人:勢いをつけてスロープを下りた モノ:重心位置が後方寄りになっている車いすだった モノ:転倒防止バーがついていなかった モノ:スロープの傾斜がきつかった 管理:介助で邪魔だった転倒防止バーを外していた 122106 183006 - 3 - No. 画像タイトル種目用具の種類場面の説明解説参考要因CCTA 129 座った勢いで車いすが横にぐ らつき、転倒しそうになる 車いす 特殊寝台 自操用車いす 介護用ベッド ブレーキがかかっていることに安 心してしまい、勢いよく座ってし まった ベッドから車いすへの移乗の際、ブレーキがかかっているからと言 って安心できるわけではありません。この事例では、そもそも独力 での移乗が可能な人であったのかどうかが問われるでしょう。移乗 に限らず、様々な生活動作は単にできるかどうかではなく、安全で 苦痛なくできるかという質の面での確認も大切な視点です。 人:一人で立位移乗できる体力がなかった 人:勢いよく座ってしまった モノ:安定性の低い車いすであった 環境:本人の移乗能力を確認し、適切な方法を提案し てくれる人が周囲にいなかった 122106 181209 130 車いすを歩行器のように使用し 、キャスタが浮いてひっくり 返りそうになる 車いす 自操用車いす リハビリのつもりで車いすから降 りて操作していたが、足がついて いかず車いすが傾いてしまった 車いすは、歩行訓練用には設計されていないので、人が座っていな い状態ではバランスが悪く、このように後方へ転倒しやすいものも あります。歩行を補助する目的では歩行器や歩行車を利用すること が基本ですが、あえて車いすを利用するのであれば、重りを積んで 後方に転倒しないようバランスを取るなど工夫をする必要があるで しょう。 人:リハビリ目的で歩行車の代わりに車いすを使ってい た 人:車いすに過度に寄りかかってしまった 環境:適切な訓練方法を指導してくれる人が周囲にいな かった 122106 131 麻痺側のブレーキをかけると きに、手がすべって転落しそ うになる 車いす 自操用車いす 麻痺側のブレーキレバーが短く、 身を乗り出して操作しようとして バランスを崩した 半身に麻痺のある人は、麻痺のある側に倒れ易いという身体的な特 徴があります。この事例も、手がすべったことがきっかけではあった にせよ、普段から危険な姿勢での操作をおこなっていたことが考え られます。ブレーキの柄を長くするなど簡単な工夫で改善できるこ ともありますので、普段からの危険を見逃さず、適切に対応してお くことが必要です。 人:片麻痺の利用者であることを知らずに車いすを提供 した モノ:片麻痺の利用者には短すぎるブレーキレバーだ った モノ:ブレーキが固かった 122106 132 片側のフットサポートに足を のせて立ち上がり、車いすが 傾いて転倒しそうになる 車いす 自操用車いす うっかり片側の足をフットサポー トに乗せたまま立ち上がってしま い、車いすが斜めに傾いてしまった フットサポートの上に立ってしまう、体重をかけてしまうことで車 いすが傾き転倒につながる事例は多く報告されています。立ち上が りの際には、必ずフットサポートを跳ね上げ、足を床について行う ことを習慣化するよう、日常の声かけなどから注意することが大切 です。 人:フットサポートから足を下ろすのを忘れていた 環境:フットプレートの上に立ってしまうことの危険 性を指摘してくれる人がいなかった 122106 133 導尿チューブがブレーキレバ ーに引っかかって外れそうに なる 車いす 自操用車いす 導尿チューブがブレーキレバーに 引っかかっていることに気づかず 走行した カテーテルが抜けてしまうなど大きな事故につながりかねない事例で 、他の人が操作する車いすだけではなく、手すりや家具類に引っかか ってしまうことも考えられます。導尿チューブをはじめ、酸素ユニ ットや呼吸器などのチューブ類は、いずれも命に係わる大切な役割 を果たしています。これらのチューブ類が車いすの外側にはみ出し た状態で放置しないよう、紐などで処理しておくことが大切です。 人:導尿チューブにブレーキレバーが引っかけている ことに気づいていない 人:導尿チューブが引っかかり易い状態で放置してい た モノ:ブレーキレバーはひも状のモノを引っかけ易い 環境:他に通れる通路がなかった 122106 134 車いすをとろうと身を乗り出 しすぎ、転落しそうになる 車いす 特殊寝台 自操用車いす 介護用ベッド ベッドから離れた位置に車いすが あったため、身を乗り出し取ろう として転倒しそうになった。 身を乗り出すような位置に車いすが置いてあること自体が、この転倒 事例の誘因になっています。介助者が無意識に置いてしまったのかも しれません。利用者の状態から一人での移乗が無理な時には、利用者 から見えない位置に車いすの置き場所を決めておくなど、心理面も 考えた予防対策を検討することが重要です。 人:手が届きそうだったので、自分で何とかなると思っ た 人:車いすを遠い場所に置いてしまった 管理:利用者の心理面まで考えた安全確保の教育がな されていなかった 122106 181209 135 身体が前方にずれ、臀部が車 いすの座面から転落しそうに なる。 車いす その他 自操用車いす 固定形手すり 片麻痺の利用者が手すりをひきつけ て移動していたが、徐々に身体だ け前方にずれてしまい、車いすか ら落ちそうになった。 車いすで移動する際、手でタイヤを回転させずに足で床を蹴ったり、 手すりを引き付けたりすることがありますが、身体が前方にズレ易 いという問題があります。この事例でも、そのような移動方法を続 けたために、臀部が車いすの座面から前方にズレ落ちてしまったも のと考えられます。このような移動方法は、車いすからの転落の問 題だけではなく、姿勢の崩れやズレを原因とする皮膚の損傷といっ た問題も引き起こしかねません。片麻痺などの症状から、やむなく このような移動方法となる場合には、車いすの調整や車いす用クッシ ョンの使用などで、姿勢の崩れを防止する工夫が必要でしょう。 人:手でこぐのが面倒くさくて、ついつい手すりを利用 した 人:身体がズレていることを気にとめていなかった 人:ずっこけ姿勢になっていたが、いつものことなの で大丈夫と思った モノ:車いすの座面高さや角度などが身体に合ってい なかった モノ:クッションが身体の前方へのズレを防ぐ形状に なっていなかった 122106 181803 136 簡易スロープを前向きで下り たところ、前方へ転落しそう になる 車いす スロープ 自操用車いす 簡易形スロー プ 簡易スロープの傾斜が思ったよりも きつく、不意に傾いてバランスを 崩した 段差の高さにもよりますが、車いすでは傾斜は後ろ向きに下りること が基本です。車いすが前傾することで前方に倒れやすくなり、また 前輪であるキャスタは小径のため重さがかかると前へ進みにくくな ることもあります。やむなく前進で下りる際には、バックサポート 側に身体をあずけ、後方に重心をかけることを意識して、ゆっくり と進行しましょう。 人:これくらいの傾斜なら大丈夫だと思った モノ:スロープの傾斜がきつかった 122106 183018 137 移乗時にブレーキレバーがひ っかかり、転倒しそうになる 車いす 特殊寝台 自操用車いす 介護用ベッド 利用者の臀部がブレーキレバーを 越えられずに引っかかってしまい 、転倒しそうになった 移乗をしやすくする工夫として、車いすの肘掛けが跳ね上がる製品 がありますが、そのような車いすでもブレーキレバーの先端が邪魔に なる場合があります。しっかりとした立位が取れない利用者の移乗で は、先端が臀部に引っかかり、バランスを崩したり皮膚を損傷させ る原因になりますので、小さなことと軽視せず、適切な車いすを選定 しましょう。 人:ブレーキレバーが引っかかると思わなかった 人:立位移乗するには不向きな車いすを提供していた モノ:ブレーキレバーが長すぎた 122106 181209 138 足がすべってバランスを崩し 、転落しそうになる 車いす 自操用車いす 移動するため足で床を蹴ろうと力 をいれたところ、足がすべってし まってバランスを崩し、転落しそ うになった 車いすを前進させようと足で床を蹴ってこぐ場合、その反動で上半 身が前傾してしまう場合があります。また、臀部の位置が座面の中 で前方にズレて、ずり落ちそうになることもあります。いずれにし ても、足こぎがしやすいように車いすを身体に合わせ選定したり調 整することが大切です。 モノ:すべり易い靴を履いていた モノ:車いすが利用者に合っていない 環境:足がすべり易い路面だった 122106 139 タイヤに指が入っていること に気づかず操作したため、ケ ガをしそうになる 車いす 自操用車いす 利用者の腕が下がり、指がタイヤの スポーク内に入っていることに気 づかず車いすを操作してしまった 車いすの後ろに立つと死角となり見えづらい箇所があり、利用者の腕 や手の位置も見えづらい場合があります。腕はアームサポートや膝 の上に置くことを基本として、移動前に確認することを習慣づける ことが大切です。また、走行中の振動などで腕が落ちてしまうこと もありますが、タイヤに巻き込まれたり脱臼したりという危険があ ります。頻繁にある場合には放置せず、クッションなどで腕を保持 するなどの工夫をしましょう。 人:死角になっている箇所に注意がいかなかった 人:急いでおり、目視で確認するのを怠った モノ:アームサポートの高さが利用者と合っていなか った 122106 140 角をうまく回れず、足がぶつ かってケガをしそうになる 車いす 介助用車いす 廊下の角で死角になっていたため 介助者には前方がよくみえず、利 用者のつま足を壁にぶつけてしま った 車いすの後ろからでは、足先は死角になり見えづらいことが多くあり ます。また、利用者の座る姿勢がいわゆるずっこけ座りになっている と、足先はフットサポートから飛び出し、想像以上に前方に飛び出 していることがあります。足先の位置を確認して走行することはも ちろんですが、座位姿勢を直したり、万一接触してもケガをしない ように靴を履いたりする対策が必要です。 人:死角になっている箇所に注意がいかなかった 人:利用者の姿勢が崩れていても気にかけなかった モノ:車いすが利用者に合っていない 環境:狭い通路だった 122103 141 腕をバックサポートとフレー ムの間に挟んでしまい、ケガ をしそうになる 車いす 座位変換形車 いす 利用者の腕が垂れ下がっているこ とに気づかずバックサポートを戻 したため、利用者の腕がバックサ ポートとアームサポートの間に挟 まってしまった リクライニング機能の付いた車いすでは注意が必要なポイントです 。特に旧式のモデルでは、安全対策が施されていない製品もあります 。また、背を下げる際にも腕をアームサポートとクッションやフレ ームの間に挟みこんでしまう事例も報告されています。介助者は車い すの特性をよく理解し、危険を未然に察知することが大切です。ま た、車いすを提供する事業者の担当者は、車いすごとの危険個所を整理 した上で、安全な使用のための情報提供を心がけてください。 人:利用者の腕が垂れ下がっていることを見落とした モノ:バックサポートとアームサポートで挟み込む可 能性のある車いすだった 管理:リクライニング操作の際には、腕をお腹空の上 にのせ確認する等の手順があいまいになっていた 122190 142 街路樹のくぼみにキャスタが はまりこみ、転落しそうにな る 車いす 介助用車いす 前方が良く見えなかったため、キ ャスタが植林のくぼみに落ちてし まった 屋内とは異なり、歩道などの屋外では様々な環境が車いすでの移動 の障害となります。この事例では、街路樹の根元にあるくぼみにキャ スタがはまり込み、車いすが傾き、急に止まった勢いで利用者が前方 に倒れかかっています。介助者からは、利用者の足元付近は死角とな り見にくいものですが、少し先の路面状況を把握して余裕をもって 障害物を避けるような介助を心がけましょう。 人:よそ見をしていて前方をよく見ていなかった 人:死角になっている箇所に注意がいかなかった 環境:歩道がわずかに傾斜しており、ハンドルをとら れてしまった 環境:歩道の有効幅員が狭かった 122103 143 手押しハンドルに服が引っか かり、転倒しそうになる 車いす 特殊寝台 介助用車いす 介護用ベッド 二人介助で利用者を抱えてベッド に移そうとしたところ、介助者の 服の袖口が広がっていたため手押 しハンドルに引っかかり、車いす ごと転倒しそうになった 手押しハンドルに限らず、車いすにはブレーキレバーなど多くの突起 物が付いています。引っかかり易い箇所としては、袖口のほか、上 着やズボンの裾などがあげられます。専門職の人はあらかじめ引っ かかりにくい形の制服を着用していますので、このようなヒヤリ・ ハットは経験していないかもしれませんが、普段着で家族が行う介 護では注意しなければならないポイントです。 人:介助に不適切な服を着ていた 人:強引な介助方法で移乗しようとした 人:他の移乗方法を検討していない モノ:車いすには引っかけ易い箇所がある 環境:狭い場所で移乗していた 122103 181209 - 4 - No. 画像タイトル種目用具の種類場面の説明解説参考要因CCTA 144 傾斜に気づかず流れてしまい 、車道に飛び出しそうになる 車いす 介助用車いす 歩道に傾斜がついていたが、気づ くのが遅れたために、車いすが車道 へ流されてしまった 歩道で車いすを利用した人であれば、だれもが経験をしているので はないでしょうか。歩道には、車両の乗り込みのために道路に向か って傾斜になっている箇所が多くあります。見た目にはゆるやかに 見える傾斜ですが、車いすへの影響は大きく、簡単に車道に飛び出し てしまいます。慎重に走行しましょう。 人:歩道にはわずかな傾斜があることを意識していない 環境:歩道にはわずかな傾斜がついている 人:傾斜のあるところを走行してしまった 122103 145 ベッドが車いすの座面よりも 高い状態で移乗し、転落しそ うになる 車いす 特殊寝台 介助用車いす 介護用ベッド ベッドの高さを調整せずに移乗し てしまい、臀部が上がりきらずに ぶつかって転落しそうになった 移乗の際には、ベッドと車いす座面の高さを合わせることが基本で す。移乗する先の方を少し低めに設定しておくと移乗が楽になるこ ともあります。また、肘掛けの跳ね上げなど車いすにも移乗を助け る機能があります。認知症とまではいかなくとも、こういった機能 やベッドの高さを確認するなどの事前の準備を忘れてしまいがちな ので、周囲の見守りも大切です。 人:これぐらいなら大丈夫だろうと強引に移乗した 人:ベッドの高さが上がっていることに気がつかなか った 人:介助者が高さを戻すのを忘れていた モノ:車いすの座面よりも低くならないベッドを使って いた 122103 181209 146 ブレーキの効きが左右で違い 、車いすが回転して投げ出さ れそうになる 車いす 介助用車いす 左右同時にブレーキをかけたが、 左側のブレーキが効いておらず、 車体が右に回転してしまった 多くの車いすは左右別々のブレーキを備えており、まっすぐに止まる には左右を均等に握ることが基本です。しかし、ブレーキの調整が きちんとされていない場合は、この事例のようにブレーキ操作が進 行方向を乱してしまうことがあります。ブレーキはタイヤの空気圧 も影響し、日ごろのメンテナンスが重要です。 人:左右違う力でブレーキをかけた 人:不具合に気づいていたがブレーキ調整ができなか った 環境:傾斜がついている場所だった 管理:定期メンテナンスをしていなかった 122103 147 手押しハンドルが倒れてバラ ンスを崩し、転倒しそうにな る 車いす 介助用車いす 介助者が車いすを押し出した瞬間に 手押しハンドルが根元から倒れて しまい、バランスを崩してしまっ た 手押しハンドルの折りたたみは、車いすを自動車のトランクなどに収納 する際にコンパクトに折りたためる便利な機能です。使用時には簡単 な操作でロックがかかり折れ曲がることはないはずですが、この事 例ではそのロックが不完全であった、またはロック機構自体が壊れ ていたのかもしれません。確実な操作とメンテナンスが求められま す。 人:手押しハンドルのロックをちゃんとかけていなか った 人:不具合に気づいていたがそのままにしていた 管理:定期メンテナンスをしていなかった 122103 148 アームサポートが倒れてしま い、転落しそうになる 車いす 座位変換形車 いす アームサポートがしっかり固定さ れていなかったため落ちてしまい 、転落しそうになった 移乗の妨げにならないよう多くの車いすで肘掛けが収納または取り外 し可能になっていますが、その方式は様々です。収納式の場合では使用 する位置でロックがかかる機構になっていますが、この事例ではそ のロックが不完全であった、またはロック機構自体が壊れていたの かもしれません。確実な操作とメンテナンスが求められます。 人:ロックがかかっていることを確認していなかった 管理:定期メンテナンスをしておらず、故障箇所を見 落としていた 122190 149 階段を踏み外し、転倒しそう になる 車いす スロープ 介助用車いす レール形スロ ープ 足元をよく見ずに階段を下りたた め、足を踏み外して転倒しそうに なった この事例のようなレール形のスロープで起こり易い事例です。スロー プで段差を下りる場合、介助者は後ろ向きになることが基本となり ますが、レール形のスロープでは、足元が狭くまた見づらいために 注意が必要です。車いすの手押しハンドルにブレーキが付いていると 、介助にも少し余裕が生まれます。介助力と段差の高さに合わせ、 スロープの形態や車いすの機能を選定しましょう。 人:スロープにタイヤを乗せることに気をとられてい た 人:足元をよく見ていなかった モノ:短めのスロープで、角度が急だった 環境:敷地の関係で、緩やかな長めのスロープを利用 できなかった 122103 183015 150 ブレーキをかけ忘れたことに より車いすが移動し、転倒し そうになる 車いす 介助用車いす 傾斜のある駐車場にブレーキをかけ ずに放置してしまったため、車い すが動きだしてしまった 介助者が車いすのブレーキをかけ忘れたまま、車を取りに行ったのでし ょうか。介助者の見た目には傾斜を感じないような場所でも、車いす は動き出してしまうことがあります。駅のホームではエレベータ待 ちをしていた車いすが動きだし、利用者ごと線路に転落するという事 故も起こっています。介助者は平坦な場所でもこまめにブレーキを かけるよう、日ごろから習慣づけておくことが事故を未然に防ぐこ とにつながります。 人:ブレーキをかけ忘れていた 人:傾斜があることに気づかなかった 人:離れた位置で車いすを停めたので目視できなかった 管理:ブレーキが故障していた 122103 151 肘掛けを跳ね上げたまま目を 離してしまい、転落しそうに なる 車いす 特殊寝台 介助用車いす 介護用ベッド 介助者が車いすの肘掛けを跳ね上げ た状態で目を離してしまい、利用 者の姿勢が崩れて転落しそうになっ た 肘掛けを跳ね上げ、まさにこれから移乗しようというタイミングで 目を離してしまったことなどに原因がありそうです。この状態で放 置された利用者は、介助者がいなくとも移乗を始めてしまったのかも しれません。安全に動作ができない利用者が勝手に動いてしまって事 故に至る場合がありますが、動くには何らかの動機があるという視点 に立って、安全の確保を考えることが大切です。 人:利用者が危険な状態で目を離していた 人:わずかな時間でも座位姿勢を保つことができなかっ た 管理:危険を予測する教育機会を作っていなかった 122103 181209 152 フットサポートに衣服が引っ かかり、転倒しそうになる 車いす 介助用車いす 裾が広がったズボンを履いていた ため、フットサポートに引っかか ってしまい、転倒しそうになった 服装の問題はなかったでしょうか。車いすにはブレーキレバーや手押 しハンドルなど衣服を引っかけやすい突起箇所が多くあります。安 全な介助のためには衣服の選定にも配慮する必要があることを感じ させられる事例です。 人:モノを引っかけ易い服を着ていた 人:足元をよく見ずに移動した モノ:車いすには引っかかり易い箇所がある 122103 153 勢いよく座ったことで車体が 傾き、ひっくり返りそうにな る 車いす その他 介助用車いす 固定形手すり ブレーキがかかっていたが、勢い よく座ってしまったことで車体が 傾いてしまった 例えブレーキをかけていても、勢いよく座ると後方へ転倒する危険 があります。車いすに座るときにはゆっくりと動作することが基本 ではありますが、障害によっては、手すりから手を離すタイミングが 合わずにゆっくりとした動作が困難な場合もあります。車いすの安 定性は機種ごとに異なりますので、必要に応じて安定性の高い車いす を選定しましょう。 人:ブレーキがかかっていることに安心してしまった 人:後方に倒れるかもしれないという危険予測をして いなかった モノ:比較的ひっくり返り易いコンパクトタイプの車 いすだった 環境:移乗に必要な手すりを使用しなかった 122103 181803 154 誤ってリクライニングレバー を握ってしまい、転倒しそう になる 車いす スロープ 座位変換形車 いす 一体形スロー プ ブレーキをかけようとしたが、誤 って近くに付いていたリクライニ ングレバーを操作してしまった リクライニングやティルト機構の付いた車いすでは、経験した人も 多いのではないでしょうか。このような機能の操作レバーがブレー キの操作レバーと似ていることが混乱の原因です。形状や色を変え ることで、間違いを防ぐ対策をしている車いすもありますが、判別 しづらい機種もあり、利用者側でわかり易いマークをつけておくなど の工夫をすることもヒヤリ・ハット防止には役立つでしょう。 人:操作に慣れていなかった モノ:操作レバーが同じ箇所にたくさんついておりわ かりづらい 122190 183015 155 バックサポートが倒れていた ことで傾き易くなっており、 ひっくり返りそうになる 車いす 座位変換形車 いす 利用者に靴下をはかせるため、介 助者が足を持ち上げたところ、車い すごとひっくり返りそうになった リクライニング式の車いすでは、バックサポートを倒した際に重心が 偏り後方に転倒しやすくなります。静止している時には転倒しなくと も、前方で足を持ち上げるような介助を行なったり、段差を越えよ うとした際にバランスを崩しそうになりあわてることが多いようで す。一般には安全策として転倒防止バーなどが装着されていますの で、しっかりと機能しているか日ごろの確認を大切にしてください 。 人:介助方法が不適切だった 人:転倒防止バーを外していた 人:介助者がバランスを崩すと思っていなかった 環境:転倒防止バーの重要性やこのような介護方法の 危険性について教えてくれる人が周囲にいなかった 122190 156 急発進してしまい、人とぶつ かりそうになる 車いす ジョイスティ ック形電動車 いす 運転に慣れておらず、ジョイステ ィックを思い切り押し倒したため 、急発進してしまった ジョイスティックの操作では、レバーの倒し具合によって駆動輪に かかる力が変わってきます。操作に不慣れな人ではその倒し具合が つかめずに、このような急発進が起こってしまいがちです。操作方 法は簡単でも安全な走行には練習が必要です。展示場などで不慣れ な人が試走する場合などでは特に注意しましょう。 人:操作に慣れていなかった 人:操作に不慣れな利用者から目を離していた 環境:狭い場所で試運転をしていた 122127 158 介助による段差乗り越え後、 転倒防止バーが収納されたまま 走行してしまい、小さな段差 でひっくり返りそうになる 車いす ジョイスティ ック形電動車 いす 介助によって段差を越えた後、転 倒防止バーを収納したまま走行した ため、すぐ近くにあった小さな段 差を乗り越えた際にひっくり返り そうになった 転倒防止バーを収納したまま走行している人を良く見かけます。段差 乗り越えの介助の際に邪魔になるという理由ですが、転倒防止バーは 後方への転倒を防ぐ重要な安全装置であるという認識を再確認し、 適切に操作してほしいと感じます。また収納せずにある程度までの 段差を乗り越えられるよう調整できる機種もあります。 人:転倒防止バーが収納されていることを忘れていた 環境:転倒防止バーが収納されていることの危険性を指 摘する専門職が周囲にいなかった 122127 159 大きな石を踏んでしまい、転 倒しそうになる 車いす ジョイスティ ック形電動車 いす 舗装されていない道路を走行中、 大きな石を踏んでしまい、車いす ごと転倒しそうになった 施設内とは異なり、一般の道路では様々な状況に遭遇します。大き な石もその一つ、利用者には、そのような様々な状況を的確に把握 して安全に走行できる認知、判断、運動機能が求められます。十分 な心身機能を持たない場合、利用を制限することも必要です。 人:障害物を避ける操作ができなかった 人:不整地を慎重に走行しなかった 環境:舗装されていない場所だった 122127 - 5 - No. 画像タイトル種目用具の種類場面の説明解説参考要因CCTA 160 突然の大雨に打たれたが雨宿 りできず、車体が止まって立ち 往生する 車いす ジョイスティ ック形電動車 いす 天気が悪い日に外出したため大雨 に打たれてしまい、故障してしま った 施設内とは異なり、一般の道路では様々な状況に遭遇します。天候 の変化もその一つ、利用者には、そのような様々な状況を的確に把 握して安全に走行できる認知、判断、運動機能が求められます。雨 に弱いという電動車いすの特性を理解し、天候の変化を予測する注意 深さが必要だったのではないでしょうか。 人:電動車いすが雨に弱いことを知らなかった 人:天気予報を見ていなかった 環境:予測できない雨に打たれた 環境:雨宿りできる場所がなかった モノ:防滴加工されていなかった 122127 161 勢いよく段差を下りたため、 前方へ転落しそうになる 車いす ジョイスティ ック形電動車 いす 段差があったにも関わらず、速度 を落とさず走行したため、前方へ 転落しそうになった、 段差に気づかなかったのでしょうか?車いすであっても常に前方の 路面状況に注意を払うのは歩行と同じです。もしくは、「これくら いの段差なら・・・」と過信してしまったのかもしれません。いず れにしても、安全な利用には様々な路面状況を的確に把握し判断す る能力が求められます。 人:これぐらいなら大丈夫だろうと強引に走行した 人:前方をよく見ておらず、段差があることを見落と した 環境:薄暗い場所で段差が見えずらかった 122127 163 後進のつもりが前進してしま い、人とぶつかりそうになる 車いす ハンドル形電 動車いす バックしようとしたが、アクセル レバーの操作を間違ってしまい、 前進してしまった ハンドル形電動車いすは、操作自体はそれほど難しいものではありま せんが、機種ごとに操作方法やスイッチ類の機能、配置が異なりま す。この事例は、機種を更新して間もないころに発生しており、前の 機種との違いが原因だったことが考えられます。操作には慣れてい ると過信せず、安全な場所で練習するなどの注意深さも必要でしょ う。 人:操作に不慣れだった 人:操作方法をしっかりと説明していなかった モノ:前進と後進の区別がわかりづらい構造だった 122124 164 高速ギアで発進したため、不 意に車道へ飛び出しそうにな る 車いす ハンドル形電 動車いす 前進しようと思ったが、高速ギア に入ったままアクセルレバーを押 し込んだため、意図せず車道へ飛 び出してしまった ハンドル形電動車いすでは、ダイヤルなどのスイッチによって速度 を選択できるようになっていますが、慣れによる過信から、最高速 度の設定にしたまま利用している人を見かけます。この事例もその ような過信などが原因したと考えられます。「もし車道に幼児が歩い ていたら・・・」周囲の安全を守るのも運転者の責務、面倒がらず、 「安全第一」の心で利用してください。 人:速度調整をし忘れた 人:過信していた モノ:速度の注意を喚起する表示が付いていなかった 管理:安全な運転操作についての講習を義務付けてい なかった 122124 165 溝に気づかず走行し、脱輪し そうになる 車いす ハンドル形電 動車いす 歩道にあった溝に気づかず走行し てしまい、タイヤが溝にはまり込 んでしまった ハンドル形電動車いすは、操作自体はそれほど難しいことはなく、足 腰の弱った高齢者にとって手軽な乗り物として人気があります。しか し、操作が簡単だからと言って安全なわけではありません。車両で ある以上は歩行者など周囲の状況や道路の凹凸などの環境を把握し、 的確な判断をして運転する必要があります。発生する事故の多くは 、誤った状況判断によるものであると言えるでしょう。 人:よそ見をしていて前方をよく見ていなかった 環境:歩道がわずかに傾斜しており、ハンドルをとら れてしまった 環境:歩道の有効幅員が狭かった 122124 166 停車時、無意識に片足を地につ けようとしてしまい、転落し そうになる 車いす ハンドル形電 動車いす 原動付ミニバイクに乗っていたく せで、停止時に足を地につけてしま った 自転車やバイクでは、停車のタイミングで片足を地面につけ安定をは かるものですが、そのような習慣がつい出てしまったのかもしれま せん。もちろん、ハンドル形電動車いすは安定しており足を出す必 要はありません。アクセルレバーから手を離しても惰性で少し動き ますので、確実に停止したことを確認してから足を地面につけるよう にしましょう。 人:身体が勝手に反応して足が出てしまった 環境:安全な運転操作を教えてくれる人がいなかった 122124 167 満充電のつもりだったが、横 断歩道の真ん中で止まってし まう 車いす ハンドル形電 動車いす 満充電のつもりで外出したが、突 然バッテリー残量がなくなってし まい、停止してしまった 電動車いすで最も困る場面のひとつです。日ごろから充電残量につい ては細心の注意を払うことはもちろんですが、長期間使用し劣化が 進んだバッテリーでは不十分な充電量でも満充電を示してしまうこ ともあり、早めのメンテナンスや交換が大切です。万が一このよう な場所で止まってしまったら、周囲に非常事態を示し、とにかく助けを 呼びましょう。電動車いすを手動で動かすにはクラッチを切る必要が あるので、その操作方法についても事前に確認をしておきましょう 。 人:バッテリー残量を十分に確認していなかった 人:走行可能距離以上に走行していた モノ:バッテリーが充電できていなかった モノ:冬場でバッテリーが弱っていた 管理:メンテナンスをしておらず、バッテリーの定期 交換をしていなかった 122124 168 ブレーキのつもりでアクセル レバーを押してしまい、壁に 激突してケガをしそうになる 車いす ハンドル形電 動車いす 操作に慣れておらず、ブレーキの つもりでアクセルレバーを強く握 ってしまい、壁にぶつかりそうに なった ハンドル形の電動車いすは、手動で動かす時のためにブレーキが装備 されていますが、電動での運転中はアクセルレバーから手を離すだ けで停止するため、ブレーキの操作をする必要はありません。しか し、緊急時にあわててしまい、ブレーキと誤ってアクセルレバーを 強く握りしめてしまうことが原因となる事故が発生しています。緊 急時にもあわてず正しい操作ができるよう、常に落ち着いてゆっく りと操作することが安全の第一歩です。 人:身体が勝手に反応して、とっさに握ってしまった モノ:慌てた時にとっさに握りやすい位置にアクセル レバーが付いていた モノ:アクセルレバーとヴレーキレバーの区別の表示が 判別しにくかった 122124 169 スイッチを入れ間違えて後進 し、壁にぶつかりそうになる 車いす ハンドル形電 動車いす 前進しようとしたが、操作スイッ チを切り替えていなかったため、 後進してしまった ハンドル形電動車いすの操作では、アクセルレバーの操作で前進後 進を決めるものと、アクセルレバーとは別のダイヤルなどであらか じめ前進後進を選び、アクセルレバーで進行するものがあります。 後進の際には警告音が鳴るなどの安全対策が施されているものがほ とんどですが、聴覚の障害などで聞こえないなど万全ではありませ ん。落ち着いた確実な操作が求められます。 人:操作方法を理解していなかった 人:あわてていたため、確認作業を怠った モノ:前進と後進がわかりづらい構造だった 122124 170 話に夢中で不意にアクセルレ バーに手が触れて車体が動き出 し、転落しそうになる 車いす ハンドル形電 動車いす 話に気を取られていたため、不意 に手がアクセルレバーを押してし まい、動きだしてしまった ハンドル形電動車いすは、足腰の弱った高齢者にとって気軽な乗り物 です。しかし、操作が簡単だからと言って安全なわけではありませ ん。逆に、簡単な操作で動く仕組みだからこそ、誤った操作で急に 動きだし事故に至る事例が多く発生しており、利用者の十分な注意が求 められます。 人:電源を切らずに話しに夢中になっていた 人:安全な場所で停車しなかった モノ:横を向いた時にちょうど肘をかけやすい位置に アクセルレバーがあった 122124 171 横断に時間がかかってしまい 、車と接触しそうになる 車いす ハンドル形電 動車いす 横断歩道の信号が変わりそうな状 況で、利用者は渡りきれると判断 して渡り始めたが、思ったほど速度 がでなかったため、途中で信号が 赤になってしまった 電動車いすの速度は時速最高6キロと決して遅いわけではありません が、この速度で走行できるのは十分に操作に慣れた利用者だけだと 言えるでしょう。安全な運転には、人ごみや道路の幅など様々な環 境を把握し、時間内に渡りきる余裕を判断することができる心身機 能が必要であり、単に運転操作ができるか否かで利用の可否を判断 することは適切ではありません。 人:渡りきれるだろうと思った 人:自転車など別の乗り物の感覚で走行していた 環境:信号が変わるのが早かった 122124 172 落ちたモノを拾おうとしてア クセルレバーをつかんでしま い、転落しそうになる 車いす ハンドル形電 動車いす 前かがみになった際に、アクセル レバーを押してしまい、車体が動 いて転落しそうになった 大切なモノを落とし、あわてていたのかもしれません。高齢者でも 利用できるよう、アクセルレバーの操作にはそれほど大きな力を必 要としません。意図せずに触れると急に動き出してしまうのでとて も危険です。地面に落ちたモノを拾う時には、アクセルレバーに触 れても動き出さないよう、まずは電源を切りましょう。 人:うっかりアクセルレバーを握ってしまった 人:電源を切らずに走行以外の別行動をしてしまった モノ:ちょうど身体を支えやすい位置にアクセルレバ ーがあった 122124 173 充電コードをさしたまま走行 したことで切れてしまい、び っくりして利用者がバランス を崩しそうになる 車いす ハンドル形電 動車いす 充電コードを抜き忘れたまま走行 したため、充電コードが根元から 切れた衝撃にびっくりして利用者 がバランスを崩した あわてて出かけようとしたのでしょうか?車いすの故障にもつなが る事例で「うっかりミス」が強く疑われますが、最近の製品では、 コンセントに差し込まれた状態でスイッチを入れるとアラーム音が 鳴るなど、安全対策も進んでいます。このような人為的ミスから事 故を防ぐ観点からも、安全対策の有無を確認し、選定の基準に加え ることが大切でしょう。 人:充電中であることを忘れていた 人:周りをよく確認せずに走行してしまった モノ:充電コードがコンセントに差し込まれていても 走行できる構造だった モノ:充電コードが差し込まれているとアラームが鳴 るなどの安全対策が施されていなかった 環境:充電コードが他のモノで隠れて見えなかった 122124 174 坂道を斜めに上ってしまい、 転倒しそうになる 車いす ハンドル形電 動車いす まっすぐ上らなかったため、遠心 力がかかり、車体が傾いてしまっ た ハンドル形電動車いすは、一定以上の横方向の傾きにはバランスを 崩しやすい特徴を持っています。坂道を斜めに走行すると車体が横方 向に傾くことから、上り下りともまっすぐに走行することが基本で す。また、電動で急な坂道でも昇っていく力があるとはいえ、安定 性の観点からは急な坂道は適合しないと考えた方がよさそうです。 人:坂道を斜めに上ってしまった 人:電動の力を過信していた モノ:横方向のバランスが安定すていない機種であっ た 122124 175 知り合いの方を見ながら手を 振ってしまい、崖に転落しそ うになる 車いす ハンドル形電 動車いす 下り坂のカーブで知人と出会い、 挨拶したためよそ見運転となり、 誤って崖に転落しそうになった まず、このような状況の場所は極力通らないことが賢明ではないで しょうか。どうしても通らねばならない時にはそれなりの緊張感が 必要です。ハンドル形電動車いすは操作が簡単だからと言って安全 な乗り物ではありません。事例のようなわき見運転が危険なのは、 ほかの車両と同じことです。 人:よそ見運転をしてしまった 人:転落の危険がある崖沿いを走行していた 人:危険が伴う道を走行しているという緊張感に欠け ていた 環境:転落の危険があるにもかかわらずガードレール が設置されていなかった 122124 - 6 - No. 画像タイトル種目用具の種類場面の説明解説参考要因CCTA 176 凹凸の激しい農道を走行した ことで車体が突然止まり、立ち 往生してしまう 車いす ハンドル形電 動車いす 路面状況がひどく、モーターに想 定以上の負荷がかかったことで緊 急停止装置が働いてしまった ハンドル形電動車いすでは、機種ごとに乗り越えられる最大段差高さ が決められています。路面の凹凸も段差と同様に車いすの走行に影 響を与え、想定された以上の悪路を走行するとモーターなどに過大 な負荷がかかり故障の原因となることから、多くの機種で自動的に電 気を遮断する機構が組み込まれています。無理な走行をしない利用者 の注意義務はもちろんですが、製品を提供する事業者にも、実際に行 動する範囲での想定されるリスクなどに対する注意喚起など、安全 確保をする上での情報提供に責任があるという認識が重要です。 人:緊急停止装置がついていることを知らなかった 人:近道だったのであえて不整地を走行していた 人:安全運転を徹底していなかった 管理:安全な運転操作についての教育機会が確保され ていなかった 122124 177 前後を間違えて設置したこと で、すべり落ちそうになる 車いす 車いす付 属品 介助用車いす 車いす用クッ ション 前後があり傾斜のついた車いす用ク ッションが前後反対に設置されて いたため、車いすから転落しそう になった 福祉用具に慣れた事業者の視点では「見ればわかる」と安易に考えがち ですが、一般の座布団に慣れた高齢者であれば、クッションに前後 の方向があること自体が不思議かもしれません。利用する人の視点に 立って丁寧に説明をすることで、このようなヒヤリ・ハットは減っ ていくのではないでしょうか。 人:車いす用クッションには前後があることを知らな かった 人:適当に車いす用クッションを設置してしまった 人:カバーを前後反対に装着していた モノ:前後がある車いす用クッションがある 122103 122406 178 テーブルが傾いてしまい、食 事が落ちてしまう 車いす 車いす付 属品 介助用車いす 車いす用テー ブル 車いす用テーブルがしっかりと車い すに固定されていなかったことで 、バランスが崩れて車いす用テー ブルが傾いてしまった 車いす用のテーブルでは、マジックテープなど車いすに固定する何ら かの方法がとられているので、それをきちんと操作していれば、簡 単には傾かないはずです。もしくは、マジックテープの固定力がゴ ミなどで落ちていたのかもしれません。いずれにしても、介助者が 確実に固定し、またはメンテナンスしておくことが大切です。 人:腿(もも)でテーブルを持ち上げてしまった 人:しっかりと固定していなかった 管理:定期メンテナンスをしておらず、マジックテー プが劣化していた 122103 122415 218 前方がよく見えず、転落しそ うになる 車いす スロープ 座位変換形車 いす 一体形スロー プ スロープを使って階段を越えよう としたが、前方がよく見えないま ま車いすを押し上げたため、車いす ごとスロープから転落しそうにな った 後方から介助する視線では、利用者の足元付近は死角となることが多 く、スロープなど限られた幅の中で進行しなければならないときな どは神経を使います。スロープでは中心をまっすぐに進むことが基 本ですが、余裕を持った角度の設定や、脱輪止めの側壁があるスロー プなど、より安全性を高める選定も重要です。 人:前方がよく見えなかった 人:斜め方向に上がっていたが気にしなかった モノ:側壁がないタイプのスロープだった 122190 183015 219 上下を間違えて設置したこと により、キャスタが引っかか ってしまう 車いす スロープ 介助用車いす 一体形スロー プ スロープを使って階段を下りよう としたが、スロープの設置を上下 逆さまにしていたため、車いすの キャスタが引っかかってしまった ほとんどの製品では、スロープの上端、下端の指定があり、スロー プに乗り込み易い工夫が施されています。特にキャスタは小径のた め段差の影響を受け引っかかり易いので、上下を正しく設置するよ う注意しましよう。スロープに適切な表示がなくわかりにくい場合 もありますので、シールなどでわかり易く表示しておくことも、う っかりミスを防ぐポイントとなります。 人:よく確認せずにスロープを設置した 人:そもそも上下を間違えて認識していた 人:上下があるスロープと知らされていなかった モノ:上下がわかりにくい構造だった 122103 183015 221 裏表を間違えて設置していた ため、スロープがガタつく 車いす スロープ 自操用車いす 一体形スロー プ スロープ面を裏表反対に設置して 走行したため、スロープがガタつ いた 裏面にはすべり止めの加工はなされておらず、また上端、下端には 段差ができ、キャスタが引っかかりやすくなるなど、すべりそうに なること以外にも不都合な点があります。注意すれば防げることで すので、あわてずに確認するように心がけてください。 人:よく確認せずにスロープを設置した 人:普段スロープを使わない人に設置をお願いした モノ:裏面でも走行出来てしまう構造だった 122106 183015 222 フットサポートの位置が低す ぎたため、スロープにぶつか ってしまう 車いす スロープ 介助用車いす 一体形スロー プ 車いすのフットサポートを極端に 下げていたため、スロープに乗り 込む際にぶつかってしまった スロープを利用する際には、実際に利用する傾斜において、フットサ ポートや転倒防止バーが干渉しないかどうか確認をすることが大切 です。干渉する場合、車いすの調整やスロープ角度の緩和などで対 策を講じます。 人:フットサポートを下げることによる影響を考えて いなかった 環境:スロープの角度が急だった 122103 183015 223 うまくキャスタを乗せられず 、操作を繰り返すうちにスロ ープが外れてしまう 車いす スロープ 介助用車いす レール形スロ ープ 左右それぞれのスロープにキャス タをうまく乗せることができず、 操作を繰り返すうちにキャスタで ひっかけてスロープが外れてしま った 特にレール形のスロープでありがちな事例です。レール形スロープ の設置は、左右のレールが車いすのタイヤ幅と一致していることが 安全な使用には重要なポイントです。床と段上に印をつける工夫は 、簡単ではありますが効果が大きくお勧めです。 人:操作に不慣れだった 環境:スロープの設置位置が合っていなかった 環境:狭い場所だった 122103 183015 257 昇降中に子どもが下に潜り込 み、挟み込みそうになる 車いす 移動用リ フト 自操用車いす 段差解消機 段差解消機を利用して下りている 際、子どもが本体の下に潜り込ん でいることに気づかず、挟み込み そうになった 子どものいる環境では、より安全性の高い製品を選定するなどの配 慮が求められますが、安全は絶対ではありません。段差解消機に限 らず、福祉用具には子どもにとって危険なものも多くありますので、 ふざけたり遊んだりしないよう教育することが基本です。 人:死角になっている箇所に注意がいかなかった 人:危険な場所であることを子どもに伝えていなかっ た モノ:安全装置がない段差解消機だった 122106 183006 258 本体と上がりかまちの隙間に 足が挟まり、ケガをしそうに なる 車いす 移動用リ フト 自操用車いす 段差解消機 利用者の足が、上がりかまちのわ ずかな隙間に潜り込んでいること に気づかず操作したため、足を挟 み込んでしまった 挟み込み易い箇所でありながら、安全対策がほとんど施されていな い部分です。足が外に出ない工夫のある段差解消機もありますが、 ティルトリクライニング機構を備えた全長の長い車いすでの利用で は役に立たず、危険にさらされている場合もあります。設置時にか まちの蹴込みを埋める対策をすることで解決できます。 人:車いすの位置をテーブル面の前方に寄せすぎた 人:上がりかまちの隙間に挟む込むことを想定してい なかった 人:よく確認せずに操作した 環境:足を挟む隙間があった 管理:このような危険が取扱説明書等に記載されてい なかった 122106 183006 262 腋(わき)付近にしわができ たままつり上げ、利用者が痛 がる 車いす 移動用リ フト 移動用リ フトのつ り具の部 分 介助用車いす 据置式リフト つり具 つり具の装着がうまくいっておら ず、腋(わき)あたりにしわが寄 った状態で利用者をつり上げたた め、利用者の腋(わき)が圧迫さ れて痛がった つり具は強い力で身体を圧迫しますが、丁寧な装着であれば一般的 には問題を起こしません。しかし、不適切な装着による大きなしわ 、折り目や、皮膚表面をこすりつけるような横方向のズレにより、 皮膚にダメージを与える場合があります。正しい取扱いをおろそか にせず、丁寧に装着することが重要です。 人:しわが寄ると痛みが生じることを知らなかった 人:痛みを伝えることができなかった 人管理:正しい装着方法を習得する研修機会を設けて いなかった 122103 123618 123621 280 立てかけていた杖が座面に倒 れ、転倒しそうになる 車いす その他 一本杖 自操用車いす アームサポートに立てかけた杖を 足で引っかけてしまい、転倒しそ うになった 杖を車いすのアームサポートに立てかけ座ろうとした際に、杖が足 に引っかかり倒れてきて足に絡まり、転倒しそうになった事例です 。テーブルや壁などに立てかけた杖が倒れてしまうことは多くの人 が経験していると思いますが、この事例からひとつ間違うと動作の妨 げになり、大ケガにつながりかねないヒヤリ・ハットだということ がわかります。安全なところに杖を置くことや、杖を倒れにくくす る工夫など、万一に備えた対応が大切です。 人:杖を安定した場所に立てかけていなかった 人:杖が倒れても、その後大事に至るようなことはない と思っていた 環境:杖が倒れて危険な状態になる可能性があること を予測できて指摘してくれる人がいなかった 120303 122106 283 ステップが足と接触し、ケガ をしそうになる 車いす その他 介助用車いす 福祉車両 車両に乗り込むため車いすで待機し ていたところ、自動で出てきたス テップが利用者の足と接触してし まった 車に乗り込むためのステップはドアの開閉に連動するものが一般的 ですが、この事例の福祉車両は、サイドブレーキと連動してステップ が出てくる構造であったため、運転手である介助者は運転席にいて、 車いすと車両の間隔を把握できなかったとのことです。このような製 品の構造に起因する危険性をあらかじめ想定することで、注意を喚 起し、ミラーで確認するなどの安全確保が可能となります。普段か ら想定される危険性を話し合い、認識しておくことが事故防止には有 効です。 人:利用者の足先がステップとぶつかってしまう位置 に車いすを停めてしまった 人:ステップが自動で出てくることを知らなかった モノ:ステップ下出てくることを表示する注意喚起が なかった 122103 890000 284 振動で姿勢が崩れ、転落しそ うになる 車いす その他 介助用車いす 福祉車両 自動車に搭乗中、振動で車いすを固 定している部品が外れてしまい、 車いすが揺れて姿勢が崩れてしまい 転落しそうになった 車いす自体の固定が不完全であればもちろんですが、利用者の姿勢が車 いすの中で崩れ、車いすから転落しそうになる事例も報告されていま す。車両移動中は、車いす自体の固定のほかにも、身体には車いす用の 安全ベルトを装着するなど、振動はもちろんですが急ブレーキや急 カーブなども想定した対策を行ってください。 人:車いすを福祉車両にしっかり固定していなかった モノ:固定方法が複雑で、しっかり固定されているか の確認も簡単ではなかった 管理:しっかり固定されたかどうかの確認ルールが徹 底されていなかった 122103 890000 285 振動でヘッドサポートの調整 ねじがゆるみ、首が倒れそう になる 車いす その他 座位変換形車 いす 福祉車両 ヘッドサポートの調整ねじがゆる んでいたため、移動中の振動でヘ ッドサポートが倒れてしまった 頻繁に調整をするので、普段からあまりねじをきつくは締めていな かったようです。報告された事例は、初めての介護タクシーでの移 動中で、この経験をしてからは、移動前にねじを確認、締めなおす ことを習慣にしているそうです。 人:しっかりと調整ねじを締めていなかった モノ:振動で調整ねじがゆるんでしまう 122190 890000 - 7 - No. 画像タイトル種目用具の種類場面の説明解説参考要因CCTA 286 段差を乗り越えようとアクセ ルレバーを強く押し込んだた め、急発進してしまう 車いす ハンドル形電 動車いす 段差がなかなか乗り越えられなか ったため、思い切りアクセルレバ ーを押しこんだところ、段差を乗 り越えて自転車に衝突してしまった ハンドル形電動車いすのカタログなどには、乗り越えられる段差の 高さが記載されていますが、その操作となると簡単ではありません 。助走をつけると大きな振動から利用者が振り落とされそうになる 危険がある一方、助走なしではなかなか乗り越えられず、この事例 のようについ多めにアクセルを押し込んでしまいがちです。段差を 上手に通過するよう運転技術を磨くことも大切ですが、段差を通過 しない安全なルートを判断する冷静さを保つことも重要です。 人:段差をなかなか越えられず、イライラしていた 人:段差を越えた後の事象を想定していなかった 人:前方に自転車がある場所を通過しようとした 環境:他に通る道がなかった 122124 287 雨のため介助者の足がすべり 、転倒しそうになる 車いす スロープ 自操用車いす 一体形スロー プ 雨のためスロープの路面がぬれて おり、介助者の足がすべってしま った 可搬形スロープの走行面にはすべり止めが施されていますが、雨天時 などでぬれている時には十分な効果を発揮できません。また、スロ ープの長さが短く傾斜が急な時には、ぬれることによってより危険度 が増すと考えられます。安全を確保する観点から、スロープの傾斜 は余裕をもってゆるやかに設定し、またぬれている時などは使用を控 えるなどの配慮が必要です。 人:すべり易い靴を履いていた 人:雨だったがどうしても外出しなければならなかっ た モノ:雨などでぬれるとすべり易くなる 122106 183015 288 傘を持ちながら下りようとして 、脱輪しそうになる 車いす スロープ 自操用車いす 一体形スロー プ 片手に傘を持ちながらスロープを下 りようとしたため、うまく操作で きず地面に転落しそうになった スロープの走行面がぬれていてすべり易くなっている要因もありま すが、この事例で重視する点は、車いすのブレーキを左右均等にかけ なかったことだと思われます。ブレーキは左右別々に機能するもの が多く、均等に握らないとまっすぐに止まれない可能性があります 。また、調整不足などで左右の効きに差があると同様の危険が起こ りやすいので、メンテナンスの際には確認するようにしましょう。 人:傘をさしながら車いす介助をしていた モノ:雨などでぬれるとすべり易くなる 122106 183015 290 上昇した際、本体とサッシ枠 に足が挟まり、ケガをしそう になる 車いす 移動用リ フト 座位変換形車 いす 段差解消機 座面角度をつけた車いすを使用して いたため、フットサポートが通常 よりも前方に位置しており、上昇 時に利用者の足がサッシ枠との間に 挟まれてしまった 座面のティルト機構を備えた車いすは、フットサポートが標準型の車 いすよりも高く位置しているため、段差解消機の脱輪止めが機能し ない場合があります。この部分には接触を感知して昇降を自動停止さ せるような安全装置が付かない機種もあり、挟み込みによって大ケ ガに至る可能性があります。複数の福祉用具を組み合わせて使用する 場合には、個々の用具が想定しえない危険が発生してしまうことも あり、一層の注意が必要です。 人:利用者の足がぶつかるとは思っていなかった モノ:テーブル面よりも全長が長い車いすだった 122190 183006 291 ボールが挟まれていることに 気づかず、テーブル面が傾い て転落しそうになる 車いす 移動用リ フト 介助用車いす 段差解消機 段差解消機を使用中、近くで子ども が遊んでいたボールがテーブル下 に入っていたことに気づかず下降 したためボールを挟んでしまい、 テーブル面が傾いて転落しそうに なった 介護保険でレンタルされる機種は、基本的には床面に固定されては いないので、テーブル下に障害物があるとそれに乗り上げ、バラン スを崩す恐れがあります。子どもやペットのいる家庭では、テーブ ル下に異物が入り込む危険性も高くなると思われますので、蛇腹でテ ーブル下を覆っている機種など、安全性の高い機種を選定することを お勧めします。 人:死角になっている箇所に注意がいかなかった 人:危険な場所であることを子どもに伝えていなかっ た モノ:安全装置がない段差解消機だった 122103 183006 293 傾斜地に駐車したため、車いす が後方に動き転落しそうにな る 車いす その他 自操用車いす 福祉車両 駐停車した場所がわずかに傾斜がつ いていたことに気づかず、リフト で下降中にブレーキをかけていな かった車いすが後方に動いて転落 しそうになった 事故は複数の要因が重なり合って起きてしまうものです。これは実際 に死亡事故につながってしまったケースで、普段駐車しているスペー スが使えずに傾斜地に停めたこと、車いすタイヤの空気圧が不十分で ブレーキが十分に効かなくなっていたこと、介助者がよそ見をして いたことなどの要因が重なって重大な事故につながってしまいまし た。これらの要因の一つひとつをヒヤリ・ハットとして認識し、重大 な事故を未然に防ぐことが重要です。 人:傾斜のある場所に車を停めてしまった 人:傾斜があることに気づかなかった 人:車いすのブレーキをかけ忘れていた モノ:傾斜地での使用を制限する機能や表示がなかった 121218 122106 295 スカートの裏地が滑りやすく 、ベッドの端に腰かけた際に 滑り落ちそうになる 車いす 特殊寝台 介助用車いす 介護用ベッド 裏地の滑りやすいスカートをはい てベッドに移ろうとした際、裏地 が滑って床に落ちそうになった 普段は問題なくできている動作でも、洋服一つ変わるだけで危険と なることがあります。おしゃれは大切なことですが、裏地が滑る以 外にもスカートの裾が引っかかるなど、いつもとは違う条件である ことを意識し、危険を予測した上で普段よりも注意して行動するこ とが大切です。 人:洋服の違いを特別には意識していなかった 人:スカートの裾が邪魔になりいつも通りの介助がで きなかったが、大丈夫だろうと過信した 122103 181209 297 転倒防止装置を解除したのち 、戻すのを忘れて転倒しそう になる 車いす 介助用車いす 便器からの移乗で車いす座面に座 った瞬間、勢いがありすぎてその まま後方に転倒しそうになった 転倒防止装置を元に戻すことを忘れてしまったことなどが原因です 。忘れないように工夫することが基本ですが、「忘れる」ことは人 にとって無くすことのできないことととらえましょう。転倒防止装 置を解除する場所としては玄関などの段差部分がありますが、その ような場所で解除しなくても昇降できるよう環境を整えることも一 案です。移乗についても、お辞儀をしながらゆっくりと座るといっ た、勢いのつかないような方法を検討しましょう。安定性の高い車 いすもありますが、自操での走行性が低下するなどの欠点もあるこ とに留意して選定しましょう。 人:転倒防止装置の重要性の認識が甘かった 人:勢いのつかない移乗動作ができていなかった モノ:後方に重心を崩しやすい車いすであった 環境:移乗のための手すりがついていなかった 122106 298 エレベーターのドアレールの 隙間にキャスターがはまり込 み転倒しそうになる 車いす 介助用車いす 施設内での車いす単独移動の許可が 出ていたので、エレベーターを利 用していたが、入り口付近で方向 転換をしようとしてキャスターが 挟まってしまった 車いす等での一人での移動を許可する場合は、単に基本操作の可否 だけで判断するのではなく、段差や溝など住環境の危険も理解して 安全に移動できる操作技能の修得が必要条件になります。また、ド アレールの隙間などの環境的に危険な場所に関しては注意喚起を促 すような表示も考えましょう。 人:車いすの操作に不慣れであった 人:ドアの隙間があることに気が付かなかった 人:ドアが閉まってしまいそうで慌てていた モノ:キャスターが細く、はまりやすいサイズであっ た 環境:回転できそうな広さがあった 122106 299 キャスターを持ち上げて段差 をあがろうとしたら、車いす が横にずれ転倒しそうになる 車いす 介助用車いす 段差をあがろうとティッピングレ バーを操作しキャスターを段上に 上げたのち、ハンドルを持ち上げ た。段差には左右方向の傾斜があ った 大車輪が段差の角(段鼻)に当たっていないまま持ち上げる誤った方 法で段差昇降を行うと、車いすの動きが不安定になります。特に段 上に傾斜がある場合、大車輪を持ち上げてしまうと低い方向へ流れま す。大車輪を段差の角にしっかりと当て、車いすを持ち上げず前方に 押し出す正しい操作方法の習得が大切です。 人:正しい操作方法を習得できていなかった 環境:段差上に傾斜があった 環境:正しい操作方法を教えてくれる人がいなかった 122103 300 車いすのアームサポートを下 ろしたまま介助者が目を離し たら、本人が落ちそうになる 車いす 介助用車いす 車いすに移乗する際に下ろしたア ームサポートを上げ忘れたまま、 介助者が上着を取ろうと目を離して いた。本人は介助者に声をかけよ うと身を乗り出した アームサポートを下げたり、跳ね上げができる車いすは、移乗の場 面ではとても便利ではありますが、その際の転倒・転落には細心の 注意が必要です。機能が多い用具は同時に安全な利用に意識を払うポ イントが多いことも事実です。介護者は移乗が終わったらすぐに元に 戻し、次の作業に移る習慣を身につけるよう心がけましょう。 人:本人の座位バランスが悪かった 人:介護者が「少しの間であれば大丈夫」と油断して いた モノ:アームサポートの操作が簡単ではなかった 122103 301 側壁に車いすのキャスターか 接触し、操作に手間取っていた ら突然スロープが段から外れ 、落下してしまう 車いす スロープ 介助用車いす 一体形スロー プ 段差を降りようと可搬型スロープ を設置し、後ろ向きで車いすを操 作していたが、中ほどでキャスタ ーが側壁に接触し、無理に動かそ うとしたところ、スロープがズレ 、段差から落下してしまった 「無理に引っ張る」などの力づくの介助は、しばしば事故の原因に なっています。このケースでもキャスターが接触した後に、落ち着 いて再度少し前進させてからスロープの真ん中に戻ることで安全に 下りられたと考えられます。また、スロープの角度が介助者の体力 に見合うゆるかな角度であったのかも確認する必要があるでしょう 。 人:引っ張ればなんとかなると思ってしまった 人:キャスターの向きを修正するために車いすを少し 上に戻すだけの力がなかった モノ:スロープが短く、角度が急だった モノ:スロープに適正な段差へのかけ幅の表記がなか った 環境:段鼻の床面が滑りやすかった 122103 183015 303 送迎車に乗車中、急ブレーキ。 車いすは固定されていたが、 人の体は前方に投げ出されそ うになる 車いす その他 介助用車いす 福祉車両 車いすの固定はしっかりと出来て いたが、本人が苦しがるので車両 のシートベルトはつけていなかっ た。まさか、急ブレーキがかかる とは考えていなかった 車両に乗車中のシートベルトは、一般の座席でも車いすでも同様に必 要な安全装置です。車いすにも座位保持用の安全ベルトが装着されて いる場合がありますが、車両のものとは目的が違いますので、必ず車 両のシートベルトを装着しましょう。 人:車いすのシートベルトをしていたので、大丈夫と思 っていた 人:送迎が忙しく、シートベルトが面倒くさくなって 義務を怠った モノ:操作が複雑で、操作しにくいシートベルトだっ た 122103 890000 305 勢いをつけてスロープを登っ た際、最上部で本人が車いす から落ちそうになる 車いす スロープ 介助用車いす 一体形スロー プ 勢いをつけてスロープを登ったが 、最上部で急減速したことと、ス ロープ縁の段差で車いす座面が前 傾したことで、本人が車いすから 落ちそうになった。シートベルト は付けていなかった 再現実験をしたところ、最上端部での減速と可搬型スロープの厚み 分の段差によって、本人が前方に振り出される力が大きくかかるこ とがわかりました。スロープ上を適切な速度で走行することや、段 差部分も注意して越えることが大切です。介護者が精いっぱいの力 で勢いをつけて登ることは本来あるべきではありませんが、やむを 得ず必要な場合は、このような危険があることを理解し、ベルトを 装着するなど万一に備えた対応も必要です。 人:ゆっくりとした速度で介助するに十分な体力がな かった モノ:スロープが短く、角度が急であった 環境:庭が狭く、緩やかなスロープを選択できなかっ た 122103 183015 306 バックで段差スロープに対し て斜めに段差を下ろうとした 際に、バランスを崩し転倒し そうになる 車いす スロープ 介助用車いす 簡易形スロー プ 自室からトイレへ行こうと車いすを バックさせた際に、トイレへ向か う方向転換を急ぎスロープ上を斜 めに走行する形となってしまった 。転倒防止装置は取り付けてはいな かった 車いすはバックで移動しているときに急減速すると、後方に転倒し やすいという特性があります。この事例では、スロープ上ですので 大車輪が下りたところで重心が後方に偏り転倒しやすい状態であっ たこと、斜め方向への移動で挙動を乱し、本人の身体が倒れ重心が 側方へも偏ってしまったことなどが考えられます。このような車い すの特性と移動する環境を考え、転倒防止装置を装着する、段差ス ロープではない方法で段差を解消することなどを検討しましょう。 人:こんな簡単に転倒してしまうとは思ってもみなか った モノ:転倒防止装置が付いていなかった 環境:まっすぐに降りてから方向転換するには廊下が 狭かった 122106 183018 - 8 - No. 画像タイトル種目用具の種類場面の説明解説参考要因CCTA 307 段差スロープを強引にバック で上がろうとしたところ、横 方向に転倒しそうになる 車いす スロープ 介助用車いす 簡易形スロー プ 車いす後輪から段差スロープに斜め 方向から昇ろうとしていた。普段 から勢いをつけて越えないと登れ ないので、その時も強引に行った が、横斜め方向に転倒しそうにな った。転倒防止装置は装着してい たが効かなかった 「勢いをつけて」「強引に」といった動作で事故が起こることが多 くあります。特にスロープでは、介護者や本人の体力の限界ギリギ リを前提とした環境設定が誘因となっているケースが多く見られ、 事故予防には、本人や介護者の体力を踏まえ、余裕を持った動作で活 動できる環境設定が大切です。 人:慣れていたので、まさか転倒するとは思っていな かった 人:転倒防止装置を過信していた 環境:段差スロープの角度が急だった 122106 183018 310 福祉車両に乗り込もうと後方の スロープを上がっていた時に 本人の頭をぶつけそうになる 車いす その他 介助用車いす 福祉車両 スロープ式の福祉車両で送迎の際、車 いすがスロープから脱輪しないよ う注意を払っていたら、開口部の 上の枠に本人の頭をぶつけそうに なってしまった 介護場面で頭をぶつけそうになるという場所はあまりなく、どうし ても頭には注意が向かないこともあるでしょう。車両の大きさや本 人の背の高さに関連することはもちろんですが、車いすの座面高さ も影響することから、普段の慣れた介護でも車いすが変わった時など にも注意が必要です。 人:スロープ面ばかりに気を配っていた 人:まさか頭をぶつけるとは思っていなかった モノ:小さな車で、開口が低かった モノ:普段とは違う車いすを利用していた 環境:雨が降っていたので急いで中に入ろうとした 122106 890000 313 子供がティッピングレバーの 上に立ち体重をかけたので、 車いすが後方に転倒しそうに なる 車いす 座位変換形車 いす 子供がお手伝いのつもりや、遊びで ティッピングレバーの上に立ち体 重をかけたので、車いすが後方に 転倒しそうになった 子供が日頃の利用者の車いすや介助に興味を持ち、お手伝いのつもりや 、遊びでティッピングレバーに飛び乗ったことで起こります。 必要に応じて子供にも福祉用具の使い方や危険性を説明する必要があ ります。 子供の純真無垢な気持ちを大切にし、将来、介護や医療、福祉を担う 人材となるよう、大切に対応しましょう。 人:福祉用具の説明を子供にしていなかった 人:子どもの行動を見守る人がそばにいなかった モノ:注意喚起表示がなかった 122190 317 無理な介助で移乗中に車いす のブレーキレバーにお尻を強 打し、ブレーキレバーが曲が ってしまう 車いす 自操用車いす ベッド・車いす間での無理な介助 での移乗中に車いすの延長ブレー キがお尻がぶつかり、ブレーキレ バーが曲がってしまった 延長ブレーキを使っている場合に起こりやすいトラブルです。 車イス・ベッド間の移乗介助の方法やその際の車いすの準備に関して 、再検討が必要です。 人:力まかせに移乗させようとした 人:本人の身体機能から、そもそも持ち上げる介助方 法が適切ではなかった 環境:介助者から延長ブレーキが見えにくかった 122106 320 リクライニング車いすにバス タオルを敷いて座っていたと ころ、ずり落ちそうになる 車いす 座位変換形車 いす リクライニング車いすにバスタオ ルを敷いて座っていたところ、ず り落ちそうになる 重度の全身性機能障害の人の車いす座位の時に、移乗時に使用したバス タオルを敷きっぱなしにすることはよくありますが、一度リクライ ニングを倒した状態から戻そうとすると、前方へずれていくことが あります。 チルト機能のある車いすに変更し、座面を後方に少しチルトした状 態から、リクライニングを戻すと、前方へのずり落ちは防げます。 人:ずり落ちない介助方法をしらなかった モノ:車いすにチルト機能がついていなかった モノ:タオルを敷くことですべりやすくなっていた 122190 323 左右のフットサポートの間に 足首が挟まりケガをしそうに なる 車いす 自操用車いす 車いすで過ごしていた時に、左右の フットサポートの間に足首が挟ま り、ケガをしそうになった 足首は筋肉や脂肪組織が少なく、傷になりやすい部分です。外出時に は靴を履いているので落ちにくいですが、自宅内で靴下を履いてい る場合は滑って落ちやすくなります。下肢の麻痺や感覚障害、筋力 低下のある人に起こりやすい事例です。 人:下肢の麻痺や筋力低下でうまく足の位置がフット サポート上に保持できなかった 人:靴下がフットサポート上で滑りやすかった モノ:左右のフットサポートの間があり、足が落ち込 みやすい構造だった 管理:介護者の注意が不足していた 122106 332 ミニスロープを介助で斜めに あがろうとして、側方へ転倒 しそうになる 車いす スロープ 介助用車いす 簡易形スロー プ 廊下から居室へミニスロープで介 助で斜めにあがろうとして、側方 へ重心が傾き過ぎて転倒しそうに なった 室内の段差解消にミニスロープを良く使いますが、介助で斜めに上が ろうとした時に側方へ重心が傾き過ぎてバランスを崩した事例です。 なるべくミニスロープに対して直角に車椅子の向きを整え上るのが原 則ですが、廊下幅が狭い為にやむを得ない場合はゆっくり介助しま す。また、斜めに上がらないといけない段差を、床のかさ上げの住 宅改修で解消し、他の問題のない場所をミニスロープで直進で移動 できるようにする工夫もあります。 人:ミニスロープに斜めに上ろうとした モノ:ミニスロープの斜度がきつかった 環境:展開するための廊下幅が狭かった 管理:介助方法の確認が出来ていなかった 122103 183018 - 9 -